(2024年2月25日に更新)
固定費に悩む人
「毎月の固定費、なんでこんなに高いの?」
「そんなに贅沢してるつもりはないのに…」
「生活費の相談って、しにくいんだよな…」
この記事は、固定費に悩む方に向けて書いています。
- 固定費とは
- 固定費の見える化の具体的やり方
- 固定費削減の具体的方法
家賃や車のローン、保険や通信費などの固定費。
固定費は毎月“強制的”に支払うため、高ければ高いほど、生活に余裕はなくなります。
更に、固定費は自分が意識しないところで勝手に引かれるので、
”痛み”を感じにくい(気づきにくい)という盲点もあります。
この盲点によって、
『固定費が収入の増加に比例して上昇していくリスク』
があるのです。
どういうことかと言うと、たとえば、
- 「結婚したから、保険は手厚いものに変えよう」
- 「家族が増えたから、大きい車に買い替えよう」
- 「家族が増えたから、思い切って家を建てよう」
これらは、特別ぜいたくをしているようには見えませんよね。
これが『固定費の罠』なのです。
固定費が上がると、気づかぬうちに家計が圧迫され、貯金や旅行どころではなくなります。
だからこそ、収入や資産の大きさに関係なく、固定費の見直しは非常に重要なのです。
でも、いきなり『固定費の見直し』と言われてもピンとこないですよね。
固定費の見直しの第一ステップは、『現状を知ること』です。
そして、現状を知るために『見える化』という手法を用いると、とても効果的です。
固定費を見直して家計に余裕を作れば、
- 余剰資金で貯金をするもよし
- 旅行に行くもよし
- コツコツ投資に回して、お金に仕事をしてもらうもよし
これらが自由に選択できるようになります。
今回は、固定費の見える化の具体的なやり方について解説します。
また、固定費節約の具体例を5つ紹介します。
読者の皆さまの、明日からの生活に少しでもお役に立てる部分がありましたら嬉しいです。
【目次】
固定費を見える化して家計を見直そう!
固定費を見直すにはまず初めに、固定費を見える化して家計を見直すのが効果的であり近道です。
固定費の見える化とは、
『固定費を全て洗い出し、それを数値化して目に見える状態にすること』
を指します。
固定費の見える化によって期待できる効果は3つあります。
✅今を知ることができる
✅目標を設定することができる
✅見直しポイントを分析し、対策できる
仮想モデルを使って実際に固定費を見える化しながら、それぞれのポイントについて順番に解説していきます。
今を知ることができる
そもそも固定費とは
固定費とは、毎月固定で掛かる費用のことです。
広辞苑では、『稼働率の増減にかかわりなく固定的に発生する費用』とあります。
でも、それが具体的に何を指すか少し分かりにくいので、
具体例を使って簡単にイメージできるようにします。
固定費の内訳例
- 30代会社員
- 家族構成:父・母・子2人(小学生)
- 持ち家:マンション(ローン有)
- マイカー:有(ローン有)
<固定費の項目一覧>
給与からの天引き | ・地方税 ・年金 ・社会保険など |
給与天引き以外の税金 | ・固定資産税 ・自動車税 ・ふるさと納税 (年間でいくら使うか決めているなら固定費扱い) |
家賃 | ・ローン返済金 ・修繕積立金(マンションの場合) |
水道光熱費 | ・水道(月の平均値) ・電気(同上) ・ガス(同上) |
通信料 | ・インターネット回線 ・スマホ使用料 ・NHKなど有料放送 |
保険 (車の保険は車両維持費に含める) |
・生命保険 ・火災保険など |
食費 | ・家での食事の平均値 (外食は贅沢品なので考慮しない) ・サプリなど定期購入しているもの |
車両維持費 | ・マイカーローン ・駐車場代 ・車検費用 / 点検費用の平均値 ・任意保険 ・ガソリン代 |
教育費 | ・学校で掛かる固定費(給食費など) ・習い事など |
手数料 | ・クレジットカードなどの年会費 ・町内会費などの地域活動費 ・ATM手数料 |
投資 | 積み立て投資など、定期的に掛かる費用 |
これらが”固定費”に属するものです。
固定費以外に掛かる費用を変動費といいます。
食費(外食)や衣料費、家具・家電などの一時的な出費、医療費や旅行費などが変動費に該当します。
ふるさと納税や食費を変動費ではなく固定費として記載しているのは、
生活の中で実質固定的に掛かっている費用を固定費として考えた方が、
固定費の全体像が見えやすく、見直しのポイントも見つけやすいからです。
月額固定費の見える化
次に、実際に掛かる固定費を見える化してみましょう。
収入は考慮しないので、給与天引き分は除外して考えます。
給与天引き以外の税金 | ・固定資産税:10,000円 ・自動車税:3,000円 ・ふるさと納税:5,000円 |
家賃 | ・ローン返済金:90,000円 ・修繕積立金:10,000円 |
水道光熱費 | ・水道:4,000円 ・電気:6,000円 ・ガス:5,000円 |
通信料 | ・インターネット回線:3,000円 ・スマホ使用料:2,000円 ・NHKなど有料放送:2,000円 |
保険 | ・生命保険:15,000円 ・火災保険など:5,000円 |
食費 | 60,000円 |
車両維持費 | ・マイカーローン:30,000円 ・駐車場代:10,000円 ・車検費用 / 点検費用:10,000円 ・任意保険:3,000円 ・ガソリン代:7,000円 |
教育費 | 15,000円 |
手数料 | 1,000円 |
投資 | 20,000円 |
総額 | 316,000円(マイカー有)
256,000円(マイカー無) |
<結果>
固定費だけで30万円をオーバーしてしまいました。
また、マイカーを除いただけで、6万円も固定費が低くなりました。
年間の固定費を計算すると、
- マイカー有:3,792,000円
- マイカー無:3,072,000円
その差は「72万円」にもなります。
10年で「720万円」。とてつもない金額ですね。
このように、まずは
『固定費を全て洗い出し、見える化して今の状態を正確に知ること』
が家計管理の第一ステップです。
家計管理アプリのススメ
- 収入と支出の見える化
- クレジットカードや銀行口座との連携
- 支出のカテゴリー分け(家賃や食費、旅行費など細かく分類できる)
- 過去データの確認
無料版でもほぼ全ての機能を使うことができます。
目標を設定することができる
今の状態が分かれば後は簡単です。
どこまで固定費を下げたいか、目標値を設定します。
最低でも赤字家計は避けたいですよね。
少し余裕が欲しい場合は、
トントン(収入ー支出=ゼロ)の状態から更に『10%分』の削減を目指すと良いでしょう。
例えば316,000円でトントンだとしたら、
10%減らした『284,400円』が固定費の目標値になります。
余った分は、貯蓄や投資、変動費に活用できます。
見直しポイントを分析し、対策できる
現状を具体的に把握し、目標設定できたら、あとは『実現手段を考えて実行するだけ』です。
固定費シミュレーションの画面とにらめっこしながら、削減できそうなアイテムを洗い出します。
生活スタイルによって実現手段は大きく異なると思いますが、固定費削減の具体例を幾つか紹介します。
<固定費削減方法の具体例>
- Level1 : コンビニで買い物しない【オススメ!】
- Level2 : 格安SIMに乗り換えて通信費を下げる【オススメ!】
- Level3 : 保険を見直す【オススメ!】
- Level4 : 車を手放す(効果絶大!)
このように、目標に近づくための現実的な対策を検討し、実行します。
固定費の全体像を見て検討することで、より自分にとっての優先順位がはっきりしますし、
数字を使うことによって改善状況(効果)も一目で確認することができます。
Level1 コンビニで買い物しない【オススメ!】
コンビニはどこに行ってもあって、欲しい商品が購入できて、とにかく便利ですよね。
行けば必ずと言っていいほど新製品が出てたりして、必要のない物までついつい手が伸びてしまうもの。
コンビニでの買い物はクセになってしまいがちなので、要注意です。
毎日500円の買い物をするだけで、月15,000円、年間180,000円にもなります。
これだけあれば、高級温泉旅館に家族で泊まれますね。
Level2 格安SIMに乗り換えて通信費を下げる【オススメ!】
最も手軽にできて、年間数万円もの節約の可能性を秘めているのが、格安SIMへの乗り換えです。
安いところだと月1,000円程度まで下げられます。
例えば毎月3,000円スマホの通信料に掛かっている方であれば、年間で約24,000円の節約が可能です。
Level3 保険を見直す【オススメ!】
保険に関しては、生活スタイルや個人の価値観に依存するため、個人個人で最適解は異なります。
ただ、誰もが保険の重要性を理解している一方で、ほとんどの方が
「自分に最適な保険」について理解できていない
のではないでしょうか。
そういう場合、自分の判断だけで保険の解約や見直しを行うのはリスクがあります。
『餅は餅屋』と言われるように、まずは『保険は保険のプロ』に相談するのが最適解です。
Level4 車を手放す(効果絶大!)
上述の月額固定費のシミュレーションでは、
車が無い場合は月60,000円、年間720,000円もの固定費を節約できる結果となりました。
車が無くては生活できない人は手放せませんが、実はあまり使っておらず、
「手放したとしてもなんとかなる!」
という人もいるのではないでしょうか。
そういう方は、固定費削減に絶大な効果を発揮する、
車の売却を検討してみてもよいかもしれません。
まだ売却予定のない方も、
「まずは無料査定でマイカーの市場価値を知っておく」
というのは有効な手段です。
まとめ
固定費の見える化の方法と、固定費節約のコツを解説しました。
ポイントは以下の3つです。
- 今を知る
- 目標を設定する
- 見直しポイントを分析して実行する
オススメは、コンビニ禁止、格安SIMへの乗り換えと保険の見直し!
これらを一歩一歩進めていけば、確実に家計改善につながります。
また、一度見直して終わりではなく、
継続的に見直しと改善をしていくことで、どんどん健康的な家計になっていきます。
こうやって地道な活動を続けた先に、
贅沢する余裕が生まれたり、安心した老後生活を手にする未来が待っています。