自己PRの成功が面接の成功につながると言っても過言ではありません。
それを可能にする具体的なコミュニケーションテクニックが事例付きで理解できます。
【目次】
自己PRはSARを活用してカッコよくキメよう!
自己PR = 強みの説明と考える方も少なくないと思いますが、
これは少し違います。
自己PRのPRはPublic Relationsの略。
自己PRとは自分という商品を他者に理解してもらう行為です。
他の人も言いそうな強みを並べたところで、面接官の心には響きません。
自分しか持っていない経験を武器に、自分の商品価値を伝える必要があります。
そこで出てくるのがSAR。3つの単語の頭文字を組み合わせたものです。
Situation (状況)
Action (行動)
Result (結果)
このSARをいかにうまく活用できるかが、自己PR成功の秘訣です!
解説
SARの基本説明
SARは自己PRや、自分の強みを説明するときに用いると非常に効果的な説明の手法です。
使い方は非常に簡単で、『どんな状況で、自分が何をしたら、結果どうなったか』という順序で話をするだけです。
たったこれだけのことですが、相手(面接官)に与えるインパクトは非常に大きいです。
まずは、SARを1つの要素ずつ分解して解説します。
SはSituation (状況)
どんな話をするにせよ、何も状況を理解していない人にいきなり”行動”や”結果”を話したところで理解されません。
まずは、どんな状況だったのか、イメージを持ってもらうことが重要です。
この時に役立つのが、英語の授業で習った5W1H。
Who(誰が)、When(いつ)、Where(どこで)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)です。
特に最初の4つ。誰が、いつ、どこで、何をしていたのか。
ここを明確にするだけで、次の説明がグッと理解されやすくなります。
「この人は論理的に話ができる人だな」と最初から好印象を持ってもらうことができます!
AはAction (行動)
状況の説明はあくまで前座。一番肝心なのがこの『行動』です。
状況に対して、自分は何を考え、どのような行動を取ったのか。
この説明によって、『この人は行動力のある人だ』と思ってもらえるかが決まります。
RはResult (結果)
行動した後、最終的にどうなったのか、それが『結果』です。
狙った通りの結果が得られることもあれば、そうではないときもあります。
重要なのは『ちゃんと結果が出せたか』よりも、『結果をちゃんと認識できていること』です。
そして、その結果から何を学べたか、というところまでつなげることができれば、
良い意味で面接官を驚かせることができるでしょう。
そこまでできれば完璧です。
②SARの理想比率は1:2:1
結論から先に言うと、SとAとRの比率は1:2:1がベストです。
これに対して、SARの説明において一番多く発生するのが
「S(Situation)が長すぎる」
という問題です。
事例を使って解説します。
S(Situation)が長すぎる事例
接客業がやりたくて応募したのですが、厨房の人手不足ということもあって厨房に回され、今に至ります。
今ではほぼ全てのメニューをマニュアルを見ずに作ることができるので、後輩育成もお願いされています。
とてもやりがいのあるバイトです。
アルバイト仲間の中に接客担当をしている人がいるのですが、その人の接客態度に問題がありました。
注文はよく聞き間違えるし、言葉遣いも丁寧とは言い難く、服装も乱れていて、
何度店長に注意されても改善されませんでした。
私はその人と比較的仲が良かったので、店長から相談を受けていました。
そこで私は本人と1対1で話し合うことにしました。
その後、本人は意識を変え、まるで人が変わったかのように丁寧な接客をするようになりました。
そのような経験の中で私は、人とのコミュニケーションの大事さを改めて認識しました。
ご自身でも同じような話をする可能性がありますので。
私は大学1年から飲食店でバイトをしています。
接客業がやりたくて応募したのですが、厨房の人手不足ということもあって厨房に回され、今に至ります。
今ではほぼ全てのメニューをマニュアルを見ずに作ることができるので、後輩育成もお願いされています。
とてもやりがいのあるバイトです。
アルバイト仲間の中に接客担当をしている人がいるのですが、その人の接客態度に問題がありました。
注文はよく聞き間違えるし、言葉遣いも丁寧とは言い難く、服装も乱れていて、
何度店長に注意されても改善されませんでした。
私はその人と比較的仲が良かったので、店長から相談を受けていました。
Aのパート
そこで私は本人と1対1で話し合うことにしました。
Rのパート
その後、本人は意識を変え、まるで人が変わったかのように丁寧な接客をするようになりました。
そのような経験の中で私は、人とのコミュニケーションの大事さを改めて認識しました。
いかがでしょうか?明らかにSが多すぎですよね。
状況説明は確かに重要ですが、これでは状況説明を聞いている途中で面接官はゲンナリしてしまいます。
なぜならば、面接官は状況説明そのものには興味が無いからです。
面接官が一番知りたいのは、A(Action)です。
志望者がどんな状況で、どのように判断し、どのように行動したのか。
なぜその行動を選んだのか。
そういった部分が面接官にとって一番知りたい情報です。
先ほどの例では、Aの部分はたった1行だけ。
内容も、1対1で話し合った、という中身の無いものでした。
これで自己PRになるはずがありません。
どんなにR(Result)が素晴らしくても、その人の成果と認めてもらうことは不可能でしょう。
ですから、A(Action)の説明が重要なのです。
改善した例
それでは、先ほどの事例を改善してみましょう!
具体的には、Sを減らし、Aに厚みを持たせます。
Sのパート(改)
私は大学1年から飲食店でバイトをしています。
アルバイト仲間の中に接客担当をしている人がいるのですが、その人の接客態度に問題がありました。
注文はよく聞き間違えるし、言葉遣いも丁寧とは言い難く、服装も乱れていて、
何度店長に注意されても改善されませんでした。
私はその人と比較的仲が良かったので、店長から相談を受けていました。
Aのパート(改)
私はまず、問題に優先順位を付けることにしました。
接客業は見た目や礼儀が重要ですから、言葉遣いと服装に着目しました。
本人と直接話してみたところ、2つの問題があることを発見しました。
①言葉遣いに関しては、驚くことに本人に全く自覚が無く、丁寧に話しているつもりだった
②服装に関しては、若干乱れている方がカッコよく見えるから、という理由だった
そこで私は、それぞれの問題に対してアクションを考え、実行してみました。
①の言葉遣いに関して、自分が指導役になって教えるのは違うと思ったので、他の接客の方がどう話しているか、しっかり観察して自分の話し方と比較してみて!とアドバイスしました。
②の服装に関しては、ストレートに「その恰好、はっきり言ってカッコ悪いし不潔に見えるよ。接客には不適切。」と言いました。
Rのパート(改)
本人は私の言葉を受けて少し驚いていましたが、自分のために言ってくれたと気づいたのか、
アドバイスを素直に聞いてくれました。
言葉遣いに関しては、他の人の言い方を真似て、少しずつ改善されていきました。
服装に関しては、アドバイスした翌日からピシッとなりました。
カッコ悪いと言われたのが余程ショックだったのだと思います。
いかがでしょうか?
A(Action)の説明の中で、自分の考えや判断、行動を具体的に示すことで、
行動力をアピールしています。
また、Aの説明に重みを持たせたことで、
その後のR(Result)の説明にも説得力が増しているように感じて頂けるのではないでしょうか。
このように、SとAとRをだいたい1:2:1の割合で組立てて説明することが、
最も面接官にとって良い印象を与える手法なのです。
まとめ
自己PRの具体的な手法を解説し、事例を紹介しました。
重要なポイントのおさらいです。
①自己PRの基本はSAR
・どんな状況で、どんな行動をして、結果どうなったか、という順序で話すのが最も効果的です
・一番重要なAction(行動)にしっかりと重みを持たせましょう!