(2024年3月23日に更新)
中途採用面接の準備の1つとして、想定質問を考えておくというのは有効な手段です。
新卒面接と違い、転職される方は最低でも1度は就職活動で面接を経験しているため、基本的な質疑応答は問題ないでしょう。
一方で、中途採用面接の難易度は新卒面接とは明らかに異なります。
今回は、中途採用面接でよく聞かれる質問10選を取り上げます。
また、「おまけ」として質問の回答に役立つヒントをお伝えします。
・何を聞かれるのか、よくある質問を把握しておきたい
・回答のヒントが欲しい
・不安な気持ちを少しでも抑えたい
「基本的な質疑応答に関しても確認しておきたい!」という方は、下記新卒面接用にまとめたQ&Aを参考にしてください▼
【面接官直伝】新卒面接での代表的なQ&A(20選)を紹介
【目次】
中途採用面接では何を聞かれる?よくある質問10選
まず初めに、10個のよくある質問を一気に紹介します。
目次を確認頂き、気になる質問を選択して見て頂ければ効率的かと思います。
よくある質問10選
- なぜ当社への転職を希望していますか?
- 当社で具体的にどんな仕事をしてみたいですか?
- 3年後、5年後のキャリアプランはどのようにお考えですか?
- 前職の仕事の中で一番思い出に残っているものは何ですか?
- ご自身の強みと、その強みが一番発揮された前職でのエピソードを教えて頂けますか?
- ご自身の弱みと、それに対してどのような改善活動を行ってきたか教えて頂けますか?
- (リーダー経験がある場合)チームメンバーからどのようなフィードバックをもらったことがありますか?良いものと悪いもの1つずつ教えて下さい。
- (リーダー経験がある場合)チームを率いる上で一番重要視していることは何ですか?
- (外資系企業の場合)外国人とのコミュニケーションで最も苦労したことは何ですか?また、それに対してどのようなアクションを取ってきましたか?
- (外資系企業の場合)ワークライフバランスについてどのようなお考えをお持ちですか?
質問に対する回答のヒント
それぞれの質問に対して、回答のヒントをお伝えします。
中途採用面接の場合は新卒面接と違い、より個人の経験や能力、結果思考や将来思考が重視されます。
前職の経験やそこで培われた能力は人それぞれですので、
質問に対する回答は、より具体的で専門性を持ったものが好まれます。
自分にしか表現できない、渾身の回答を準備しましょう。
①なぜ当社への転職を希望していますか?
転職の事情は人それぞれですが、ここでのポイントはなぜ転職活動をしているかではなく、
なぜこの会社を希望しているか、という点です。
会社の事業に関して十分なリサーチをした上で、
会社の事業のどこに魅力を感じ、自分の経験がどう役に立つのかを簡潔に話すのがポイントです。
②当社で具体的にどんな仕事をしてみたいですか?
転職は基本的にキャリアアップのために行います。
従って、前職で行ってきた業務やそこで得た知識をフル活用し、更なるチャレンジをしていく姿勢を示すことがポイントです。
③3年後、5年後のキャリアプランはどのようにお考えですか?
自身のキャリアプランのことを何も考えていない方は敬遠される可能性が高いです。
キャリアプラン無しには、前向きに転職活動をしているようには見られないからです。
少なくとも3年先や5年先の将来について、どのような役割を担っていたいか、イメージを持っておくことが重要です。
また、更に先の将来シナリオに関してもイメージを持っていれば、積極的にアピールできます。
④前職の仕事の中で一番思い出に残っているものは何ですか?
普段から真面目に、責任感を持って仕事をしてきた方であれば、この質問には即答できるはずです。
面接官はそこを期待しています。
良い思い出、悪い思い出、どちらでも構いません。
ムリにカッコいいストーリにしなくても大丈夫です。
⑤ご自身の強みと、その強みが一番発揮された前職でのエピソードを教えて頂けますか?
意外に思われるかもしれませんが、新卒さんよりも転職者の方が、自分の強みをはっきりと言えないことが多いです。
自己評価が低いことは責任の高さの裏返しだったりするので、決して悪いことではありませんが、
自分の強みは「ストレングスファインダー」等で客観的に把握されておくことを強くオススメします。
⑥ご自身の弱みと、それに対してどのような改善活動を行ってきたか教えて頂けますか?
弱みの無い人間はいません。
この質問では、いかに自分を客観視し、冷静に弱点を理解しているかを確認しようとしています。
また、例えば
「学生時代からXXが苦手で、それは今も変わりません」といった回答をされる場合は要注意です。
長年改善できていないことの証明になってしまいますし、改善意欲があるのかも確認できません。
大切なのは、
「XXXの弱みがあるので、YYYを実施して改善を続けてきた。今もまだ十分ではないので、今後も意識して改善を続けていく。」
というロジックや意志を簡潔に説明することです。
⑦(リーダー経験がある場合)チームメンバーからどのようなフィードバックをもらったことがありますか?良いものと悪いもの1つずつ教えて下さい。
重要なのは他者からのフィードバックを聞く姿勢を持っているかどうか、という点です。
特に自己顕示欲の強い方は、他者からのフィードバックを軽視する傾向があるので注意が必要です。
自分に自信があるのは良いことですが、他者からのフィードバックを受け付けない理由にはなりません。
普段から、人が自分のことをどう見ているのか、どう感じているのか、積極的にフィードバックを聞く姿勢を持つと良いでしょう。
⑧(リーダー経験がある場合)チームを率いる上で一番重要視していることは何ですか?
自身の経験を元に、最も大事だと思うことを話せばよいのですが、
オススメは下記2つのうちのどちらかです。
- 自分の意見を強く持ち、リーダーの責任として明確なメッセージを組織に伝え、リードする(親分タイプ)
- 常に他者の意見に耳を傾け、組織のために自分にできることはないか模索し、迅速に行動する(協調性重視タイプ)
⑨(外資系企業の場合)外国人とのコミュニケーションで最も苦労したことは何ですか?また、それに対してどのようなアクションを取ってきましたか?
外資系企業への転職を希望する場合、ほぼ確実に聞かれるのが外国人とのコミュニケーションに関する質問です。
苦労しない人など絶対に1人もいないと分かっているからこそ、個人のエピソードや工夫してきた点などを確認したいと思って聞いています。
ここでもし「特に苦労したことはありません」と答えた場合、
「この人は外国人と積極的にコミュニケーションしてこなかった人なんだな」と判断される可能性が高いです。
その中でコミュニケーションを成立させるには、「相手の意見を尊重する」や「相手の価値観を受け入れる」といった、他者を思いやる行動が必要不可欠です。
⑩(外資系企業の場合)ワークライフバランスについてどのようなお考えをお持ちですか?
ワークライフバランスは外資系企業に限らず、多くの国内企業で積極的に改善しようという動きが広がっています。
ワークライフバランスの改善に向けて、生産性や効率を上げる努力を普段からされている方は、強くアピールできるポイントです。
一方で、前職でのワークライフバランスが最悪で転職を考えるケースもあるでしょう。
そういう場合には事実を正確に伝え、自分がどういう環境でどのように働きたいのかを伝えれば、
面接官も十分に状況を理解し、前向きに話を聞いてくれるはずです。
昔から日本は労働生産性(単一時間あたりの付加価値)が低いと言われています。
OECDの報告によると、2019年の日本の労働生産性は47.9ドルで、これはOECD加盟国(全37か国)中の21位に位置します。
ちなみに1位はアイルランドで、その額はなんと日本の倍以上となる108.2ドルです。
出展:公益財団法人 日本生産性本部「労働生産性の国際比較2020」
まとめ
中途採用面接でよく聞かれる質問10選を紹介し、回答のヒントについて解説しました。
本記事の中で、実は密かに強調していたポイントが1つだけあります。
それは、「簡潔に」という単語です。記事の中で3回使いました。
簡潔に説明できる能力は、コミュニケーション能力や論理的思考力に直結する重要な能力です。
ぜひ、ご自身の用意された回答が「十分に簡潔な表現になっているか」を確認してください。
さいごに、面接において最も大事なことをお伝えします。
✅誠実に回答すること
✅嘘をつかないこと
✅情熱を持って自分の言葉で伝えること