新卒採用の面接官がもっておきたい、とっておきの心得10選

(2024年2月25日に更新)

本記事は、特に面接の経験が浅い面接官に向けて書いています。

新卒採用の面接は、「相手は学生だから楽勝♪」なんていう気持ちで挑んでしまうと、手痛いヤケドを負うことになります。

自分だけがヤケドを負うならまだしも、『面接官=企業の代表』ですから、場合によっては企業イメージの失墜につながることも十分にありえます。

だからこそ、経験の有り無しに関わらず、面接官には企業の代表としての心構えが必要なのです。

今回は、新卒面接における面接官の心得を10選としてまとめました。

早速見てみましょう!

新卒面接における面接官の心得10選

  1. 事前に配布された資料には『必ず』目を通すこと
  2. 面接は『笑顔で元気な挨拶』からスタートすること
  3. 『アイスブレイク』用の質問やネタを用意しておくこと
  4. スキルよりも、『価値観や経験』を中心に質問すること
  5. 応募者からの質問に回答できないときは、『素直に伝える』こと
  6. 応募者の考えを『絶対に否定しない』こと
  7. 応募者の『良いところを探す』こと
  8. 経験に関わらず、『会社の代表』としての意識を持つこと
  9. 面接を『楽しむ』こと
  10. 応募者に対して、笑顔で『感謝の気持ち』を伝えて終わること

ここから先は、各項目について、心得を意識するメリットと、意識しないことによるリスクを解説していきます。

新卒面接における面接官の心得10選

事前に配布された経歴資料には必ず目を通すこと

ES(エントリーシート)や履歴書といった、本人の経歴を確認する書類には、必ず事前に目を通しておきましょう。

履歴書以外にも、プレゼン用の資料や学業成績など、新卒の場合には確認すべき書類が多くあります。

それら全てに目を通し、応募者の実績や考え方を把握しておくことが重要です。

<メリット>
事前に確認しておくことで、面接時に質問(確認)すべきポイントを予め考えておくことができます。また、質問すべきポイントに優先順位をつけておくことができ、限りある時間の中で『面接の質』を最大限高める工夫が可能になります。

<リスク>
事前確認を怠ると、どんな人物なのか分からず、事前に質問を考えておくこともできません。最悪は面接が始まってから内容を確認する形になり、この場合、行き当たりばったりの価値の薄い質問をするリスクがあります。

面接は笑顔で元気な挨拶からスタートすること

面接では、する側・受ける側双方とも、最初の第一印象が肝心です。

最高の笑顔で、元気な挨拶からスタートしましょう。

面接官の方から率先して挨拶するくらいのノリの良さが大事です。

<メリット>
面接官が笑顔で元気だと、応募者は自然とリラックスできます。より自然体で、密度の濃い面接が実現できます。

<リスク>
笑顔無し、挨拶無しでは応募者を極度に緊張させてしまうリスクがあります。
怖がらせても誰の得にもなりませんし、満足度の高い面接はできません。

アイスブレイク用の質問やネタを用意しておくこと

挨拶の後はアイスブレイクの時間を少しだけ確保しましょう。

ネタの準備が肝心です!

<メリット>
たとえば大雨の日であれば天気の話でもよいですし、応募者が疲れた顔をしていたら、「昨夜はよく眠れませんでしたか?ムリなさらないでくださいね。」といった言葉をかけてあげるだけで、応募者をリラックスさせることが可能です。

<リスク>
アイスブレイクは必須ではありませんので、すぐに本題に突入することもあります。
ただ、新卒の場合は極端に緊張していることが多いので、アイスブレイクをしないと本来の能力を発揮してもらえず、面接する側、受ける側共に消化不良になってしまうリスクがあります。

スキルよりも、価値観や経験を中心に質問すること

スキルの大半は、経歴書を見れば理解できますし、本当に必要なスキルは会社に入ってから習得し、磨いていくものです。

だからこそ、新卒面接において大事なのはスキルの評価ではなく、応募者個人の評価と言えます。

考え方や価値観、経験を聞くなかで、応募者がどんな人物なのかを知ることに面接の本当の価値があります。

<メリット>
価値感や経験を知ることで、実際に現場に配属された後、その人がどのように仕事をしてくれそうか、組織になじめそうか、それとも孤立するなどのリスクがありそうかを推測することができます。つまり、企業にとって『本当に欲しい人財かどうか』を確認することが可能です。

<リスク>
専門職であればスキルの確認も重要なのは言うまでもありません。ただし、ここで気を付けるべきは時間配分です。
専門的な質疑は、質問にも回答にも時間が掛かる場合があります。
スキルの質疑はほどほどにしないと、応募者の価値観や経験といった重要な確認が疎かになってしまうリスクがあります。

応募者からの質問に回答できないときは、素直にそう伝えること

応募者からの逆質問に対し、即答できないこともあります。

例えば複数の製品を扱う大企業の中で、自分の担当する製品とは違う製品の技術的質問を受けた場合など。

そういうときは素直に「分かりません」と言いましょう。

<メリット>
分からない質問には素直に、「分かりません。後で調べて回答致します。」と言えば済む話です。すぐに次の質問に移ることができます。

<リスク>
一番NGなのは、当てずっぽうの適当な回答をすることです。
後でそれが不正確な情報だと分かったらドン引きされるばかりか、企業の信用を損なう可能性大です。

応募者の考えを絶対に否定しないこと

応募者の回答内容に対し、賛同できないときもあります。

そこで大事なのはその回答(考えや価値感)を絶対に否定しないことです。

「それは間違った考え方ですよ」などと発言するのは厳禁です。

<メリット>
どんな回答内容であれ、まずはしっかり聞くことが大事です。
真摯に話を聞く行為は、応募者を安心させ、より忌憚の無い意見を引き出すことにつながります。
応募者の評価は面接が終わった後にすればよいのです。

<リスク>
回答を否定する行為は、個人の価値観や考えを否定することにつながります。
これをやられると応募者は一気に緊張モードになり、応募企業に対して敵対意識を持つリスクが生まれます。
企業が求めている価値基準と違うのであれば、縁は無いと判断し、不合格とすればよいだけの話です。

応募者の良いところを探すこと

面接は、企業と応募者のマッチングを行うイベントと言えます。

その中で最も重要なのは、応募者の『良い所』を探すことです。

<メリット>
新卒は将来の企業の柱となりうる貴重な人財です。
『良い所』を探すことで、応募者の潜在能力をしっかりと把握することが可能です。

<リスク>
『良い所』を探さず、反対に『悪い所』を探すような言動は、絶対に応募者に伝わります。これをされると応募者は極度の緊張状態になりやすく、企業に対するイメージも悪くなります。結果、合格通知を出しても内定辞退されるリスクがあります。

経験に関わらず、会社の代表としての意識を持つこと

面接官は、会社の代表者です。

普段は一部署の一責任者という肩書でも、面接では違います。

その意識が持てるか否かが、面接を成功させる上で重要なカギとなります。

<メリット>
会社の代表としての自覚と意識を持っていれば、自分の言動に対して常に責任感と緊張感を持つことができます。
その経験こそが、面接官としてのスキルを向上させ、引いては会社のイメージの底上げにもつながります。

<リスク>
会社の代表としての意識を持たず、個人の価値観だけで面接官をやってしまうと、会社の考えやビジョンとは無関係の話をするリスクがあります。質問内容や話す内容の幅が狭くなり、応募者のポテンシャルを十分に確認することが難しくなります。面接官としてのスキルも向上しません。

面接を楽しむこと

面接官は、面接を『応募者との大切なコミュニケーション』という意識を持って楽しむ姿勢が大切です。

<メリット>
面接官が面接を楽しんでいると、自然と笑顔になります。
その空気は応募者にも伝わり、応募者もより自然な表情と言葉でコミュニケーションができるようになります。結果、応募者の本当のパフォーマンスやポテンシャルを確認することが可能になります。

<リスク>
相手(応募者)は社外のお客様です。全然楽しんでいないような表情やしぐさをしてしまうと、相手は全然面白くありません。結果、十分なパフォーマンスやポテンシャルが確認できず、お互いに満足感の低い、消化不良気味の面接になるリスクがあります。

応募者に対して、笑顔で感謝の気持ちを伝えて終わること

面接の最後は、笑顔と丁寧なあいさつで締めくくることがとても大切です。

応募してくれたこと、面接を受けてくれたことに対して、感謝の気持ちを表しましょう。

<メリット>
仮にその応募者が合格とは判断できない人財であったとしても、気持ち良く帰ってもらうことができます。
結果、会社に対して良いイメージを持って帰ってもらうことにつながります。

<リスク>
挨拶もせず面接を終えたら、応募者はどう思うでしょうか?
「不愛想で失礼な面接官だった。ガッカリした。」と思うことでしょう。
仮に合格通知を出しても、辞退されるリスクがあると言えます。

まとめ

新卒採用の面接官がもっておきたい、とっておきの心得10選を解説しました。

大切なことなので何度もお伝えしますが、面接官は会社の代表者です。

面接経験の有り無しは応募者には関係ありません。

会社の代表として、高い責任感と意識を持って、
応募者から自然と笑みがこぼれるような楽しい面接を目指しましょう。

今回は顔合わせでの面接を想定した心得を解説しましたが、Web面接(オンライン面接)というケースも多くなってきています。

Web面接は顔合わせ面接とは違った注意点があります。

Web面接の注意点とコツは下記の記事で詳しく解説しています。

興味のある方はぜひご覧ください。

【面接官必見】Web面接のポイント|注意点と失敗しないコツ

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最後までお読み頂き、ありがとうございます。

それでは、また別の記事でお会いしましょう!

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