(2024年2月25日に更新)
はじめに
本記事は筆者の知識・経験を元に執筆したもので、実際の就業条件とは異なる場合があります。各求人の詳細はかならず企業の人事担当に確認してください。
「求人票の注意点が知りたいな。」
「週休二日制と完全週休二日制って何が違うんだろ?」
「みなし残業って、残業しなかったらお得ってこと?」
この記事は、こういった疑問にお答えします。
求人票には給料や休日、労働時間のことなど、重要な情報がたくさん載っています。
一方、どの企業もだいたい似たような情報を載せているので、あまり細かく見てない…という人もいるでしょう。
入社後にギャップに気づいて「こんなはずじゃ・・・」なんて絶対イヤですよね。
そこで本記事では、求人票の中で特に重要な休日・給料・労働時間など、「申込みする前にここだけは知っておいてほしい!」というポイントをまとめました。
また、私の元に寄せられた声もリアルに紹介します。(※プライベートな内容のため、全てイニシャル表記としています)
ここで基礎知識や口コミを理解して、詳細は企業の人事担当や転職エージェントを通じて確認できれば、安心して入社できます!ぜひ参考にしてください。
- 求人票をしっかり見たことがない
- 求人票の見方がよく分からない
- 前職で想定していた就業条件とギャップがあった
【目次】
就職・転職の経験がない人でもプロ並に求人票が読めるテクニック5選
次の5項目について解説します。
- 休日
- 給与(賃金)
- 労働時間
- 仕事内容
- 特記事項
求人票はブロックごとに一つずつ丁寧に見ていきましょう!
休日
休日の項目で特に気をつけたいのが次の3点です。
- 週休二日制と完全週休二日制
- 年間休日数
- 有給休暇日数
週休二日制と完全週休二日制
みなさんは、週休二日制と完全週休二日制の違い、ご存知ですか?
種類 | 説明 |
---|---|
週休二日制 | 1ヶ月(4週間)のうち、一度だけ週に2回休み。 それ以外の週は週に1回だけ休み。 |
完全週休二日制(土日祝) | 毎週2回休み。 土日祝が連続する場合、どれか2つが休み。 |
完全週休二日制(土日) | 毎週土日が休み。 祝日は稼働日。 |
週休二日制だと、たとえば下図のようになります。
月のうち、どこか1回でも週休2日ならOKという仕組みなのです。
私の周りでは、転職経験のある人でさえ「知らなかった」と答えた人が多いです。
記載する方もだますつもりはないのでしょうが、はっきり言って分かりにくい!
その気持ちをツイートしたらバズりました。
【私のバズったツイートと寄せられた声】
マジ驚きです(⊙ロ⊙)
全然知らなかった!
コレ表示的にありなんですね!
本当に多くの方に知ってほしい!📣📣📣
知らなかったです…
これをバラされたら困る企業ってどれくらいいるんでしょうね…😆
全く知らなかったことなので、転職時気をつけます💪
祝日がある週の土曜日は出勤という謎の会社もありますね。
皆さん本当に騙されないようにお気をつけて。
本当それ
週休二日制は月に最高でも6日しか休みないって知っておいて…(本当は8日必要なのに4〜6日しかないし、酷いと残り3〜4日分は休日出勤してるのに何故か通常出勤とみなされてお給料いつもと同じだから本来より貰う分少ないし全部損するし罠)
知りませんでした…😱
そして私は週6勤が就業規則です…😇
求人票に「週休二日制」と書いてあったら、月間休日数や年間休日数についてかならず確認しましょう!
年間休日数
厚生労働省が毎年発行している「就労条件総合調査」によると、年間休日数の全体平均は「116.1日」。120日を超える割合は30.4%でした。
【参考:120日のイメージ】
週の数:52(週)
週末の日数:52 x 2 = 104(日)
祝日・振替休日:16(日)
104 + 16 = 120(日)
120日の場合は、土日祝がフルで休めることと同義です。
120日より多い場合は、土日祝に追加してお正月やお盆に休みが取れる、とイメージできます。
【私に寄せられた声】
経験あります💦
明確に年間休日日数の記載がなく、面接時質問タイムなしで内定後に問い合わせをしたら、またもやはぐらかされて「うちの会社は子育てしながら皆さん両立してるから安心してください」結果週休1日のブラック企業でした!
年間休日数を明記しない企業で面接を受け、入社してみたらブラック企業だったという人も!かならず事前に確認しましょう!
有給休暇日数
有給休暇の日数や、できれば取得率も知っておくと安心です。
付与日数が多くても取得率が低ければ「休暇をあまり取らせない企業」と判断することができます。
また、試用期間中(入社から3ヶ月〜6ヶ月間が多い)は有給休暇が取れないところもあるので注意しましょう!
本来、試用期間中でも有給休暇を取ることは可能です。それを禁止しているのは、あくまで企業側の都合で決められたルールなのです。
休日と休暇の違い
この記事でも度々出てくる「休日」と「休暇」という言葉。
みなさんはこの違い、説明できますか?実は私もあやふやでした…。
私と同じように自信のない方は、下記記事に簡単にまとめましたのでサクッと理解しちゃいましょう。
給与(賃金)
給与の項目で特に気をつけたいのが次の3点です。
- 固定残業代(みなし残業)
- 基本給
- 年俸制(固定残業代含む)
固定残業代(みなし残業)
求人票にはよく、下記のような固定残業に関する記載が見られます。
この例の場合、たとえば実際の残業が20時間未満であれば”オトク”と考えてしまいがちです。
でも、気をつけるべきは一番下の文言。
この残業超過に関する記載がない場合、20時間を超えた分(超過残業分)の支払いをしない可能性が考えられます。
超過分の支払いがあるのか、契約書にサインする前にしっかりと確認しておくことが重要です!
また、実際には固定残業時間よりも多く残業させられるケースが目立ちます。
求人票に載っている固定残業の根拠は何なのか、実際の職場とギャップは無いか?といった点についても確認しておくと安心です。
【私に寄せられた声】
以前勤めていた会社は固定残業40hと書かれていましたが実際は120hくらいでした。
固定残業代だから、産休育休取る時は出ない企業があるよーというマジック(・_・;
面接行ったら求人広告と言ってること違うと私の姉が何回も言っていた時期がありました🥺
ブラックあるあるですね💦これに苦労してまさに大変でした。固定残業払うところは基本残業がオンパレードだからむしろ足りないことが多い💦
月給高いと思ってたら実は時給換算すると最低賃金未満ということもあります
月給÷(所定労働時間+固定残業時間×1.25)で時給換算できます
求人票の例(1日8h月20日労働とする)
25万円÷(8×20+20×1.25)=1351.35…
超過残業の支払いをしないのはブラックあるあるなので、十分気をつけてください!
基本給
固定残業が設定されている場合、その超過分に対する支払いに加えて、「基本給の額」に十分注意してください。
基本給と固定残業の合計値しか書かれていない場合は特に危険です。
基本給が低いと、ボーナス計算で不利になったり、転職時の給与に影響を与える可能性があります。
【私に寄せられた声】
給与含め、明細はよく見るべき。
1社目の私は情報弱者だった。
総支給25万!そんなものかと気にもしなかった。
でも後々、気づいた。
ボーナスは基本給に基にして計算される。
1社目の基本給は10万ポッキリ!!
あとは謎の手当てで作り上げられていた。25万ながら土台がグラグラなことに泣いた。
歩合給といった仕組みだと別ですが、基本的な考え方として、あなたの能力は基本給と相対関係にあると理解しておきましょう。
年俸制
年俸とは、1年単位で支払われる報酬のことです。
年俸制を採用している企業の場合、この報酬額に対して12で割った金額を月給として支払うのが一般的です。
一見すると、残業も全て含めて、労働時間に関わらず同じ年収になると思いがちですが、それは誤りです。
年俸制の給料の中に「固定残業分」が含まれる場合、「超過残業分」に関して企業は支払い責任があります。年俸制だから一律、というわけではありません。
ただし、管理職などのように、固定残業分といった定義がなく年俸が決められている場合は、労働時間に関わらず報酬は一定となります。
労働時間
労働時間の項目で特に気をつけたいのが次の2点です。
- 週40時間の制限
- 平均残業時間
週40時間の制限
労働基準法により、一週間の労働時間は40時間までと定められています。
これを「法定労働時間」と呼びます。
もちろん「残業」としての超過は認められていますが、法律で定められている一週間の労働時間は最大で40時間なのです。
特に注意が必要なのが、週休二日制のパターン。
たとえば1日の労働時間(標準労働時間)が8時間で、週に6日働く場合、「8時間 x 6日 = 48時間」となります。
これは労働基準法違反です。
週6日勤務がNGなのではありません。週6勤務でも、1日の労働時間が6時間40分であれば、6日働いても40時間に収まります。
平均残業時間
求人票の中に「平均残業時間:20時間」といった表記がされている場合は注意が必要です。
平均値とはあくまで統計の結果であって、現状を示していない場合があります。
たとえばこの数字が会社全体の平均値なら、残業が多く忙しい部署もあれば、残業が少なくヒマな部署もあるという意味になります。
「平均」で働いている部署の方が少ないと考えていた方が賢明です。
そして、企業はヒマな部署に人材補強などしません。
忙しくて人手が足りていない部署を補強するのです。
つまり、20時間よりも遥かに残業が多い部署に配属される可能性がある、ということです。
残業時間が気になる方は、たとえば残業の多い部署の実績を面接で聞くなどしてみると、リアルな実態がわかるでしょう。
仕事内容
仕事内容で一番大切なのは、「自分のやりたい事か否か」ということです。
どんなに休日が充実していても、給料や労働時間が魅力的でも、やりたくない仕事をすることは苦痛ですし、続きません。
一方、休日や給料といった数字でパッと理解できるものと違い、仕事内容には曖昧な表記が多いという落とし穴があります。
【よく見る曖昧表記】
- ○○のアシスタント業務
- 企画書作成
- 市場調査
- 動画編集
- 報告書作成
- ワードやエクセルを使った簡単な入力作業
求人票を読んだだけで仕事内容が正確に理解できる可能性はゼロに等しいです。
入社した後の後悔を防ぐ意味でも、人事担当や転職エージェントを通じた事前確認が非常に重要です。
「面接で聞けばいいんじゃないの?」
と思われる方がいるかもしれませんが、はっきり言ってオススメしません。
面接は時間が限られていて、面接官が十分な質疑応答の時間を確保しているとは限らないからです。
終了間際になって、「何か質問はありますか?」と聞かれて、仕事内容について質問するのって、すごくハードルが高いですよね。
だからこそ、仕事内容はできる限り事前に確認することが大切なのです。
特記事項
特記事項の中で特に気をつけたいのは、「アットホームな職場」というワードです。
求人票によっては「会社の特長」の欄に書かれている場合もあります。
一見すると働きやすそう・やさしい人がたくさんいそう、といったイメージを持ちますが、「公私混同になりやすい」という落とし穴が隠されている場合があります。
いくつか例をあげてみましょう。
【アットホームな会社にありがちな特徴】
- 仕事中たびたび話しかけられる(仕事以外のことも含めて)
- 指揮系統がはっきりしていない(仲良くやろうよ、でごまかされる)
- 頻繁に飲み会にさそわれる(仕事の延長のような扱い)
- 休日も遊びにさそわれる(バーベキュー、ゴルフなど)
こうした人付き合いが好きな方であれば、非常に相性の良い会社と言えます。
一方、仕事とプライベートをきっちり分けたい方(私はこっち)にとってみれば「ウザい!」としか言いようがありません。
入った後に後悔しないためにも、「アットホームな職場」といった表現を見つけた場合には、実際の職場の雰囲気や週末の過ごし方などを面接時にさりげなく聞くことをおすすめします。
まとめ
求人票で特に誤解されやすいポイントを5つ解説しました。
仕事をする上で一番大事なのは、新しい環境で、待遇にも納得した状態で自分のやりたいことができることです。
それを実現するためにも、求人票の情報を正確に読み取れるようになって、しっかり納得して就職を決められるようになりましょう!
自信がないところは自己判断せず、企業の人事に問い合わせたり、転職エージェントなどプロの力を借りましょう!
特に転職エージェントは、あなたと企業の橋渡し役となり、仕事内容や年収、休暇のことなど、聞きにくいことをプロの視点で聞いてくれる非常に頼もしいパートナーです。
使ったことがないという方は、ぜひ一度どんなものか知ってもらって、使う価値がありそうか検討してみましょう!
転職エージェントの基本は下記記事で解説していますので、ぜひご覧ください。